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最新刊中心の書評。昔の掘り出し物もたまに書きます。その他雑感も。

3冊読んで分かった!読まれる書評ブログの書き方

 

書評ってどうやって書くの!?

 書評を書こう!と思い立ったわけですが、何から手をつけていいかわからず…。もちろん、本を読んでその感想を書くところから始めるという手もありますが、研究するのは大好きなので本屋に直行しました。結果、ネットに書いている内容も多かったのですが、やはり体系的に書かれているのが本のいいところ。今回は本屋に居座って選び抜いた3冊から学んだエッセンスを共有します。最初に本を紹介しておきますね。

  

あなたの文章が劇的に変わる5つの方法 (単行本)   BlogArts: 書評記事の書き方    世界一やさしい ブログの教科書 1年生

相手が知りたいと思うように伝える

 『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』では、著者の尾藤さんが、相手になんらかの行動を促すのがゴールだと指摘しています。これはメンタリストの DaiGoさんもおっしゃっていたのですが、自分の伝えたいように伝えているようでは誰からも読まれないようです。ただ、もちろんブログですから自分の伝えたいことを伝えたいですよね。そこで、自分の伝えたいことを、相手の知りたいように伝える、ということが必要になります。

行動を促すための3つのテクニック

  1. ポイントを絞る
  2. 読者のメリットを考える
  3. 自分が伝えたいメッセージを断言する

 それでは順番にみていきましょう。

 1.ポイントを絞る

   ポイントを絞るのには、2つの意味があります。1つは自分の頭を整理すること、もう1つは読者が理解しやすくすることです。まず1つ目について。ブログを書くときに、特に読者のメリットを考えなければとりとめもなくなってしまいます。書評の場合単に要約を聞いてもつまらないので、その本の背景や著者について、また他の分野との関わりなどの中から、どれに注目するかを決めて書けばよいでしょう。ただし今回のようにノウハウ本の場合、大事なエッセンスを凝縮してお伝えした方が喜ばれます。いずれの場合にも本を読むときにピントが合うので、読むときも効率的に内容を頭に入れることができます。ただし、著作権には注意が必要で、本全体の要約は避けなくてはなりません

 

    2つ目の、読者が理解しやすくすることについてです。ポイントは3つあります、などと言われたら頭を整理しながら聞けるので理解が深まる、ということは様々な研究からも分かっています。特に3という数字はマジックナンバーだと、『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』の中で指摘されています。また同書では、ザイアンスの法則(接触回数が多いと好感度も上がるという法則)を利用し、少ないポイント数だからこそ、そのキーワードは導入、展開、結論部で繰り返す(同じフレーズを使う)、ということも推奨されています。 

 

 2.読者のメリットを考える

    SEO対策や、キーワードプランナーを使った作成法に関しては良質な記事がネット上にたくさんあるのでググって参考にしたいところですが、ここではより根源的なアプローチを紹介します。それはペルソナを作成することです。またか、と思った方も多いでしょう。マーケティング関連の記事では毎回のように書かれており、完全に耳タコでしょう。 しかしペルソナを設定するということは、その人に語りかけるということでもあります。語りかけられると人は心を動かされ、結果的になんらかの行動を取ってしまうことが多いのです。ですから形式的にペルソナを作成して、何も考えずに記事を書いても意味がありません。常に、具体的に描いた一人の人間に向けて話しかけることで、多くの人の心をつかむことができるのです。また読んだ3冊全てに書いてありましたが、炎上させるのは論外です。それは読者のメリットを考えるという原則に立つと明らかでしょう。

 

    書評の場合、1.でも書いたように、エッセンスを求めているのか、それに関する著者の個人的な話を求めているのか、より広い視点からの考察を求めているのかを、特定の誰かを思い浮かべながら書くと良いでしょう。

 

 3.自分が伝えたいメッセージを断言する

   読む人は何を求めてサイトにやってくるのでしょう。なんらかの情報であることが多いことが、自分の経験を考えてもわかります。そのときに自信がないように書かれているよりも自信を持って書いていた方が読み手も安心して読めるものです。ただし、そのためにはエビデンス(根拠)をしっかり確認しておかなくてはありません。特に書評の場合は、原典に当たるのはもちろん、他の書籍やサイトに当たるときも当然、根拠を確認すべきです。そういった信頼を得られて始めて、匿名の誰かではなく一人のライターであり人間であるとみなされるようになるからです。

 

   また具体的には、断言するときには「は」より「が」を使い、強調するときには「ただし」より「しかし」を使うといいです。

 

PVを獲得するために

     まずテクニックとして、イムリーな記事と、長く読まれる記事に分けるという方法があります。 イムリーな記事はSNSでどうやったらバズるか(たくさんのPVを取れるか)、長く読まれる記事はどうやって検索エンジンからの流入を増やすかを考えるというテクニックです。

  ただ、それより何より大事なのは、良質の記事を継続して出し続ける、ということです。ここでいう良質とはなんでしょうか。それは内容と表現力です。

  内容を濃くするには

    何より知識が重要です。これについては、『BlogArts: 書評記事の書き方』に詳しいです。

その人の内的な世界の大きさが、その人が書く論評の世界の大きさの限界になるのです。

と喝破し、

本を読むのは、著者が作り上げた世界に入り込むことです。感想は、まさにその世界に入り込んだ体験を描写することであり、評論は、その世界を包括するより大きな世界を評論の読者に提示することです。

とおっしゃっています。つまり幅広い分野の知識をつけることで、より広い世界を提示できるようになり、より深い書評ができるようになります。またこれは、何かの専門家にならなくてもできます。これを同書の著者は「クラスタ」という言葉で説明しています。ある分野に詳しい人の集まりの意味で使っているようです。あるクラスタ(歴史に詳しい人たち)が、マーケティングの本を歴史から読み解いて解説する、などできます。それはこのブログの理念とも相性が良く、積極的に行なっていきます。

 

 表現力を豊かにするには

   これに関しては『世界一やさしい ブログの教科書 1年生』を参考にさせていただきました。結論から言うと、たくさんの名文を読むことに尽きます。僕自身は、書評が上手くなりたいこともあり、松岡正剛さんや成毛眞さんの書評を参考にします。具体的には、HONZの会員になってpdf化した資料を持ち歩いて音読したり写経したりして表現力を自分に染み込ませていきます。千夜千冊も同様にしようと思っています。何事も名人の真似をするところから始まりますから。また、彼らの知識は並大抵ではないので、内容をまとめることで知識も身につき、深い内容を書けることにも繋がるでしょう。

 

まとめ

知識や表現力に裏打ちされた良質な文章を、ポイントを絞って、読者のために提供する。なんだこれだけのことか、と思われるかもしれません。確かに目新しい内容はないでしょう。しかし、言われてわかるのと、意識して実行できるのは雲泥の差です。今回はそれを実行するための具体的な方法も惜しみなくお伝えしました。今後とも、ブロガーとして一緒に精進しましょう!